2006年12月26日

大滝徹のブラジル日記「Professionalismo=vencedor」

「Professionalismo=vencedor」

今はサンジョゼで練習している。
今年からサンパウロ州リーグ2部に昇格したチームで、監督はトニーニョ・モウラ。
自分が今年戦っていたパウリスタBのウニオンモジを指揮して見事優勝し、セリエA3に昇格させ、日本・韓国(のクラブ)、タウバテ(A2)を指揮した事のある経験豊富な監督だ。
ウニオンモジとの対戦では0-4と0-2で完敗。このチームに勝つには一回ボールを止め、自分達のペースに持っていき、皆で気持ちよくjogaしなくてはいけないと思っていたけど、あの時の自分にチームを立て直すだけの精神力と技術と言葉は持っていなく、試合後にだいぶ悔しい思いをさせられたのと、CAJの監督は冷静さを失いうろうろしていて、対照的にトニーニョ・モウラは腕を組み冷静に指示を出していたのを覚えている。

彼は日本のJリーグの状況を知っているので、日本のプロ選手と仕事し、何を感じたかを聞いた。
たくさんのことを話してくれたが、つまりは「プロフェッショナリズモ」に欠けるという事だった。
試合中に笑う選手、負けても平気な顔をして仲間と会話し、遊びに行く選手。
そんなものは考えられないと話してくれ、そして「personalidade」に欠けると言っていた。
それが日本の文化からきているものではないかということを感じたとも言っていた。

国に関係なく、プロ選手は「vencedor」でなくてはならないのに、何故日本にはいなかったのか、とても不思議がっていた。
原因として文化の違いといっていたが、それは確かだと思う。
ブラジルでプロとして生活し、自分が彼等に劣っている一番の部分と感じていたのが「personalidade」と「vencedor」だったので、彼の意見にとても自分は驚いたし、ブラジルで見たW杯での日本代表、futebol areiaでの日本代表の戦いぶりはまさに「personalidade」と「vencedor」が欠けていた。

自分のいたCAJはサンパウロ州の一番下のカテゴリアのセリエBに属し、選手もプロになりたての19〜20歳の奴らで、彼らの大半以上は貧しい所から来ていて、礼儀や教養は皆無に近く、言葉は汚いがはっきり言えばクソッタレの集まりだ。
そんな彼らだが、自分よりは「vencedor」で「personalidade」を持っていて強い人達だった。

ミナス州のチームにいたとき、練習が休みの日に、クラブの会長の持つ10〜17歳までのチームの練習に参加させてもらったが、そこに居たFWの11歳の黒人の子は「何で俺にパスをよこさないんだ」とはっきり主張してきたし、ゴール前ではどんな体勢でもシュートをし、「俺がゴールするんだ」という気迫を11歳の子が伝えてくれた。
年齢、体格、肌の色全てごちゃ混ぜだが、みんな一様にパスを要求するし、足は蹴ってくるし、ミスをしても絶対に認めない。
田舎の小さな町の子供達ですら自分に「vencedor」「personalidade」のはしりを感じさせてくれた。
そして、それがブラジル全土にあり、そこで勝ちあがった選手がプロチームに引き抜かれ、そこで又ごちゃ混ぜの中で戦い、大きなクラブへとステップアップし、海外に買われて行き、ブラジルに外貨をもたらす。
これがブラジルサッカー界の大まかな流れで、ブラジルの文化が生んだ流れだと思う。

日本にも世界に引けをとらないすばらしい文化があるが、よく言われるように失われつつある。
それを自分を通してブラジルで感じてきた。
でも、侍時代、明治、大正とつい最近までの日本には「vencedor」「personalidade」が存在していた。
だから失われつつあるというより、忘れているだけだと思う。
自分は忘れつつあるものをブラジル人に学ばせてもらっている。
それは「vencedor」「personalidade」であり、トニーニョ・モウラの言う「professionalismo」に深く関わっている。

おかげさまで22歳から25歳までの間、無駄な日は一日もありませんでした。
来年は日本に帰る年で、改めてもっと多くのことを学び、吸収し日本に帰ろうと強く思っています。
ラストスパートをかける年に向けて、しっかりした気持ちを作り、年を越そうと思っています。
見てくださった全ての方、有難うございました。
自分はとても幸せです!!
みなさんも良い年を!!

Toru Otaki

※professionalismo=職業意識、プロ意識
※vencedor=勝利者、勝者
※personalidade=個性、人格、パーソナリティ
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2006年12月11日

GK本多隆吾のブラジル日記

ゴールキーパー・本多隆吾

2006/12/4

今学んでいる事は技術。
ゴレイロのコーチにキャッチの仕方から全て聞いて教えてもらっています。
今までと全然違って学ぶ事が多く楽しいです。GKのコーチがいるってことはGKの選手にしたら本当ありがたいです。
動きを正しく矯正してくれるし、技術を見せてくれる。
自分が正しいと思っていた動きがコーチに正しい動きと、俺の間違った動きを真似て見せてもらうと違いがはっきりわかって新しい課題が発見できます。
ソサイチも週1ですが、勉強になります。
フィールドが狭くてGKのスローイングでカウンターアタックで点取れるので、常に人がどこにいるかを見るようになりました。
逆に守備では1対1が多く至近距離からシュートが多く、凄くいい練習になります。
30代や40代の人がプレーして普通に上手いのには驚きます。
どうしてそんなに動けるの?と思ってしまいます。
上手い奴なんてこの国は本当に沢山います。
やっぱりボールに沢山触っている。サッカーをする時間が多いのかな日本より。
監督もCAJではそんなに教えている感じではなく、子供の頃から積み重ねてきたものが大きい。
日本みたいに教育が整備されている訳じゃなく、小学校出たくらいの学歴しかない奴もいて、その分サッカーやる。日本ではそうはいかない。
学生の時は学業と部活の両立。しかも国からサッカーチームに金を出しているという話を聞きました。
日本と違う部分はあります。
ブラジル人は練習をしたがらないです。
特にフィジコのときは必ず遅れたり、来ない選手もいる。
そんな選手が試合に出ると活躍する。
何だこいつらと驚きます。
日本では毎日練習をしてる選手もいるかもしれませんが、練習ばかりではなく体のコンディション調整も必要。
試合で結果が出せないとやはり認めてもらえない。
試合に向けてベストなコンディションを保つのもプロの仕事。
ブラジルでは試合に臨む姿勢が日本と違う。
試合会場に向うバスの中では、楽器を叩いて大声で歌を歌ったり、ダンスをしたりと今から遊びに行く感じ。
日本だとみんな無口になって個人で音楽聴いたり、眠ったり静かだと思います。
ブラジル人はうるさいほど騒ぐ。しかし、競技場に着き服を着替えた辺りから集中していく声を出して、皆で盛り上げていく。
徐々にアップしてる間にボルテージが高くなり、アップ後のロッカールームでキリスト教の聖書の文を円陣組んで皆で大声出して唱える。
何を言っているかまだ分かりませんが、その雰囲気だけでぐっとくる。
これやると誰だって俄然やる気が出てきます。
ブラジルではどのチームもこれをやってます。
試合では皆がまとまってる。
勝利への執念がそうさせる。
みんな負けたくない、絶対勝つという気持ちが試合を見るだけで伝わってきます。
これは絶対に見習う価値がある。
皆が一つになってサッカーをする、それが出来ると試合って楽しくなるし、サッカーが楽しくなる。
posted by COJBブラジル部門 at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ブラジルサッカー事情