日本人でブラジルのプロの公式戦に出場するコンディションに持って行くのは簡単なことではない。
実力とは裏腹にビザという大きな壁が立ちはだかる。一生に一度しか取得できなくなったサッカー留学ビザがあるが、21歳未満の人なら犯罪歴が無く書類審査が通れば誰でも取得できる。
しかし、プロの公式戦に出場するとなると、それがそうもいかなくなる。労働ビザの存在は、多くの日本人留学生を悩ませる大きな壁だ。
ブラジルのチームは国に税金を納めないクラブが多く、公機関に提出書類など作成できないクラブが大半をしめる。例え、日本人に対して「プロ契約するからビザを取得しよう」と言ってくれる人間がいても、そのクラブがしっかりと健全な運営をしているかどうか、必要書類ず揃わない限り、外国人を雇いいれることは不可能である。
それを知らずに、舞い上がっている留学生は過去も、現在も多い。
労働ビザをCOJBで正式に取得し、プロの選手権にデビューした選手は今では10名以上にはなったが、未だセリエAクラスに上り詰めた選手はいない。
少なくともプロの世界で自らをアピールするお膳立てまではできる。
しかし、それ以上の選手になっていくには、やはり結果が必要なんだ。チームを自分のリズムで勝たせていくという器が。
でも、最初に門を叩いた時はとてもプロになるようなレベル、プロの公式戦にメンバーに入れる器ではないと思われた選手が、実際にプロの公式戦に出場するまで到達してきている。よほどレベルが低ければ、仮にそのポジションに誰もいなくても、日本人を使わずにブラジル選手の中から選出し試合に出させてしまうシビアであり、当然の世界である。
ただ、もはやただ出場しているだけでは駄目、ゴールを決めて週間MVPにでも選出されるような器になせらなくてはね。
ブラジルで中途半端に出場して、Jリーグで通用するかどうか?ということだ。チャンスは必ず来るし来ている。だから公式戦で暴れなくては評価も上がらない。
全く「プロ」なんていう世界は無縁で、勿論高校など学生時代は目立った戦績もないし、却ってブラジルに行くチャンスがない選手の方がまだましなレベルでとても本場のプロの試合に名を連ねることはないであろうというレベルで自分勝手にプロを夢見ているだけで、「あいつがプロになるなら誰でもなれる」くらいの陰口を叩かれてもおかしくないような選手が、日本でまず徹底して最低限プロになっていくための技術を繰り返し、精神、フィジカルを鍛え、本場へ渡る、それが普通で、実際現地でさらに周囲のお膳立てで、チャンスを貰う。
そこからは自分、最初の努力の積み重ねも実は努力、最初は夢見て「自分ならプロになれる」としていた選手も自分のあまりの基礎技術の無さに挫折し、諦める。一度もブラジルの地を踏むことが許されず地元へ帰宅する者もいた。少なくても親の資金バックアップはあったのにも関わらずである。
決してプロという世界とは無縁であった者も、まずプロに対する考え方、取り組み方がまず変わる。変わってもまだまだ取り組みは甘い。
何かがまだ足りない。そこに早く気付いた者は勝ちなのだが。
伸びシロをどこまで上げられるか?
努力を重ね、信じれば誰でも一度はチャンスが来る、しかしチャンスを活かすか否かは自らが決定していくもの。
自ら勝取るものだ。

